MakeとActivepiecesは、どちらもコードを書かずにアプリやサービスをつなぎ、業務を自動化するためのツールです。やりたいことが「メールが届いたら表に記録する」「フォーム送信をきっかけに通知を送る」のような連携であれば、どちらでも作れます。
ただし、ツールとしての立ち位置、料金の数え方、そして自分のサーバーで動かせるかどうかには、はっきりした違いがあります。ここを押さえると、自分にどちらが合うかが見えてきます。
ノーコードで視覚的に業務フローを組み、サーバーの管理は任せて使いたいならMakeが向いています。一方、オープンソースであることや、自社のサーバーで運用する選択肢、実行回数を気にしない料金の読みやすさを重視するならActivepiecesが候補になります。まずは両方とも無料枠から試せるので、作りたい自動化を一つ組んでみるのが早道です。
Make
こんな人に
視覚的にノーコードで業務フローを組み、運用は任せたい
Activepieces
こんな人に
オープンソースで、自社運用の選択肢や料金の読みやすさを重視したい
Makeは、アプリやサービスをノーコードでつなぎ、ワークフローやタスクを自動化するためのプラットフォームです。提供元が運用するクラウド上で使う形が基本で、利用者はサーバーの準備や管理を気にせず、自動化を組むことに集中できます。
Activepiecesは、オープンソースのオールインワン自動化ツールです。提供元が運用するActivepieces Cloudで使うこともできますし、自分で用意したサーバーにアプリを入れて自前で動かす「セルフホスト」も選べます。セルフホスト向けのCommunity EditionはMITライセンスで公開されています。
つまり、同じ「ノーコード自動化ツール」でも、Makeはクラウドで使う前提のプラットフォーム、Activepiecesは使い方を自分で選べるオープンソース、という違いがあります。
Makeでは、「シナリオ」と呼ばれる単位で自動化を組みます。シナリオの中に処理のかたまりである「モジュール」を並べていき、それぞれのモジュールが順番に動く形です。単発の通知のような簡単な自動化から、従業員のオンボーディングや請求書処理のような複数ステップの業務プロセスまで、視覚的に組み立てられます。
Activepiecesでは、「フロー」という単位で自動化を作ります。フローは、きっかけになる「トリガー」と、その後に実行される「アクション」で構成されます。たとえば「メールが届いたら(トリガー)」「その内容を表に書き込む(アクション)」という組み合わせです。作ったフローは各ステップをテストし、公開してから動かす流れになっていて、実行の結果はRunsダッシュボードで確認できます。
操作の考え方は近いものの、呼び方と単位が違います。比較しながら触るときは、Makeの「シナリオ/モジュール」、Activepiecesの「フロー/トリガー・アクション」を対応させて見ると理解しやすくなります。
ここが両者でいちばん性格が分かれるところです。月額の金額だけでなく、「何を使うと費用や上限に影響するか」の考え方がまったく違います。
Makeは「クレジット」を中心に利用量を見ます。クレジットは、処理が動いた分だけ消費していくイメージの単位です。注意したいのは、クレジットと「オペレーション」が別の概念だという点です。オペレーションはシナリオ内で動いた処理を数えるもので、クレジットはその処理に対して支払う単位にあたります。さらに、クレジットの消費はモジュールの種類によって変わります。トリガーやサーチ、アクション、アグリゲーター、イテレーターなどで数え方が異なり、ルーターやフィルターのように一部はクレジットを消費しません。「1ステップ=1単位」と単純には数えられないので、設計の段階で意識しておくと費用感を読みやすくなります。Makeの無料プランは時間制限なしで、月1,000クレジットまで使えます。有料はCoreが月額9ドル(10,000クレジット表示時)からで、Enterpriseはカスタム料金です。
ActivepiecesのCloud料金は「アクティブフロー」を単位にします。動いている状態のフローの数で料金が決まる考え方で、無料で10アクティブフローまで使え、それを超えるとアクティブフロー1つあたり月額5ドルです。実行回数(runs)は無制限で、実行ごとの課金はありません。つまり「たくさん動かすほど課金が増える」のではなく、「いくつフローを有効にしているか」で見る形です。ただし、実行ごとに課金しないという説明はCloudのアクティブフロー料金とは別の文脈なので、「だから全部無料で無制限に使える」という意味には広がりません。なお、この10アクティブフローや5ドルといった条件はCloudの話で、セルフホストやCommunity Editionとは別に考えます。
| 比較項目 | Make | Activepieces |
|---|---|---|
| 立ち位置 | ノーコードのクラウド自動化プラットフォーム | オープンソースの自動化ツール(Cloud / セルフホスト) |
| 自動化の単位 | シナリオの中にモジュールを並べる | トリガーとアクションでフローを組む |
| 料金の数え方 | クレジット(モジュール種別で消費が変わる) | Cloudはアクティブフロー単位、実行回数では課金しない |
| 無料枠 | 月1,000クレジットまで(時間制限なし) | Cloudは10アクティブフローまで無料 |
| 自社サーバーでの運用 | 不可(Enterpriseのon-prem agentで社内接続は可) | 可(Community Edition、MITライセンス、技術知識が必要) |
| 拡張の手段 | HTTP app、Make API、Custom Apps、MCP Server | pieces(TypeScript)、private piece、API(Platform/Enterprise) |
注意
ここで挙げた料金やクレジット数、無料枠は変わりやすい項目です。実際に申し込む前に、それぞれの公式料金ページで最新の数字を確認してください。
どちらも、用意済みのアプリ連携に加えて、足りないときに自分で広げる手段を持っています。
Makeは、用意済みのアプリ連携でワークフローを作れるほか、HTTP appを含むノーコードのツールを使って、APIを持つアプリやサービスへつなげる余地があります(APIは、サービス同士がデータをやり取りするための窓口のようなものです)。さらに開発者向けには、REST形式のMake API、独自アプリを作るCustom Apps、AIからMakeのシナリオを呼び出すMCP Serverといった拡張経路も用意されています。
Activepiecesでは、連携は「pieces」を中心に考えます。piecesは自動化フローで使う連携部品で、TypeScriptで自分で作ることもでき、組織専用のprivate pieceをアップロードする使い方もあります。また、APIキーを使ってフローやフロー実行を操作することもできますが、APIキーが使えるのはPlatformとEnterpriseのエディションという条件が付きます。
連携の広げ方の発想が少し違い、Makeは「アプリやAPIにつなぐ」方向、Activepiecesは「部品(piece)を足したり自作したりする」方向、と捉えると整理しやすいです。
運用の自由度は、両者の大きな分かれ目です。
Activepiecesは、提供元が管理するCloudと、自分で運用するセルフホストを選べます。セルフホスト用のCommunity Editionは無料で公開されていますが、Dockerなどで自分で構築・運用するため、技術的な知識が前提になります。「セルフホストできる=安全・簡単」とは限らない点には注意が必要です。チーム運用に関わる機能としては、有料エディションの文脈で、役割ごとに権限を分けるRBAC、SSO、監査ログ、イベントのストリーミング、同時実行数の制御などが用意されています。これらは無料のCommunity Editionで使えるものではなく、有料エディション向けである点を押さえておきましょう。
Makeはクラウドで使う前提で、利用者が自分のサーバーに入れて動かす形ではありません。ただしEnterprise寄りの文脈では、ローカルネットワークやSAPなどへ自動化からアクセスするためのon-prem agentが用意されています。チーム・企業利用では、ロールやシナリオテンプレートの共有に加えて、SSO、暗号化、ログの保持、監査に関する情報なども確認できます。プランによって追加される機能が変わるため、チームで使うなら必要な機能がどのプランに含まれるかを見ておくと安心です。
どちらもAI関連の機能を持っていますが、提供のされ方が違います。
MakeにはMake AI Agents(New)があり、ツールやナレッジを組み合わせ、チャットで試しながらエージェントを作れます。公式は、柔軟な判断が必要な処理にはAIエージェント、決まった手順で同じ結果を返す処理には通常のシナリオ、という使い分けを示しています。現時点ではオープンベータのため、機能や料金が変わる可能性があります。重要な判断をエージェントに任せる用途には慎重に、という案内もあります。
Activepiecesは、AIエージェントやAI用のpieces(native AI pieces)に加えて、処理の途中で人の承認や待機を挟む「Human in Loop」を組み込めます。AI対応の入口としては十分そろっていますが、どちらのツールもAIの性能そのものを比べる材料ではないので、「使えるかどうか」で見るのがよいでしょう。
用途で整理すると、選びやすくなります。
ノーコードで視覚的に業務プロセスを組みたい人、サーバーの管理はせず提供元に任せたい人、複数ステップの込み入った自動化を一画面で見渡したい人には、Makeが向いています。料金はクレジットとオペレーション、モジュール種別による消費の違いを理解しておくと、費用感を設計しやすくなります。
オープンソースであることを重視する人、自社のサーバーで運用したい人、実行回数を気にせず「有効にしているフローの数」で料金を読みたい人には、Activepiecesが候補になります。セルフホストには技術的な知識が必要なので、その手間を受け入れられるかも判断材料になります。
迷ったら、両方の無料枠で同じ自動化を一つずつ組んでみて、料金の数え方と操作感のどちらがしっくりくるかで決めるのが確実です。
Q.無料のままずっと使える?
A.どちらも無料枠から始められます。Makeは月1,000クレジットまで(時間制限なし)、ActivepiecesのCloudは10アクティブフローまでが無料です。使う量が増えると有料プランの検討が必要になります。
Q.自分のサーバーで動かせる?
A.Activepiecesはセルフホストできます(Community Edition、技術知識が必要)。Makeは利用者が自前で動かす形ではなく、クラウドで使う前提です。Enterpriseではon-prem agentで社内ネットワークへアクセスする機能があります。
Q.料金はどう比べればいい?
A.月額だけでなく数え方が違う点に注意します。Makeはクレジット(モジュール種別で消費が変わる)、ActivepiecesのCloudはアクティブフロー単位で、実行回数では課金しません。自分の使い方でどちらの単位が読みやすいかで見ると判断しやすくなります。
Q.AIエージェントは使える?
A.どちらも対応しています。MakeはMake AI Agents(New、オープンベータ)、ActivepiecesはAIエージェントやnative AI pieces、人の承認を挟むHuman in Loopを扱えます。
確認日: 2026-06-06 以降(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Make
Activepieces