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n8nとPower Automateの違いを比較|料金と用途で選ぶ

読む目安 約7分 更新日 2026-06-29

n8nとPower Automateは、どちらもアプリやサービスをつないで業務を自動化するツールです。ただ、立ち位置も、自動化の作り方も、料金の数え方もかなり違います。同じ「自動化ツール」として横並びで比べると、かえって選びにくくなります。

ここでは、どんな作業に向くか、どうやって自動化を組むか、料金は何で増えるか、誰が運用するか、という観点で両者を整理します。読み終えたとき、自分の使い方にどちらが合うかを判断できることを目指します。

結論を先に

迷ったときの大きな分かれ目は、「Microsoftの製品群を業務の中心に置いているか」と、「自分で環境を持って細かく作り込みたいか」の2つです。

Power Automate

こんな人に

Microsoft 365やDynamics 365を日常的に使っていて、パソコン上の手作業(RPA)まで自動化したい

n8n

こんな人に

自前のサーバーで動かす選択肢がほしい、ノードを組んで開発者向けに拡張したい、AIワークフローまで作りたい

そもそも何のツールか

n8nは、ノードをつないでワークフローを作る自動化ツールです。インストール不要で使えるCloud版と、自分でサーバーを用意して動かすself-host版(自前の環境にアプリを入れて運用すること)の両方を持つのが特徴です。

Power Automateは、Microsoftが提供する低コードの自動化サービスです。アプリやサービスの間で動くワークフローを、少ないコード知識でも組めるように作られています。Microsoftの製品群と組み合わせて使う前提が強く、パソコン上の操作を自動化するRPAも中核に入っています。

立ち位置が違うので、「どちらが優れているか」より「自分の環境にどちらがなじむか」で見るのが向いています。

自動化の作り方

n8nでは、ノード(処理のかたまり)をつないで一連のワークフローを作ります。ノードは大きく2種類に分かれます。きっかけになる「トリガーノード」がワークフローを開始し、「アクションノード」が実際の処理や外部サービスへの操作を担います。たとえば「ある出来事をきっかけに、その内容を別のサービスへ渡す」といった流れを、ノードの組み合わせで表現します。

Power Automateは、作る自動化の種類を分けて考えます。アプリやサービスをまたいで動く「クラウドフロー」、パソコン上の操作を自動化する「デスクトップフロー」、そしてプレビュー段階の生成系の機能です。クラウドフローはさらに、出来事で動く自動タイプ、手動で実行するタイプ、時刻で動くスケジュールタイプに分かれます。作成時にはCopilotの助けを借りることもできます。

デスクトップフローはRPAの中心で、デスクトップアプリ、Webアプリ、古いアプリ、Excelファイル、フォルダなどに対する繰り返し作業を、画面の操作をなぞる形で自動化します。人手でやっていたパソコン作業をそのまま置き換えたい場合は、この仕組みが効いてきます。

料金の数え方が大きく違う

ここが一番混同しやすいところです。両者は「何で料金が決まるか」がそもそも違います。

n8nは、execution(エクゼキューション)を中心に見ます。executionとは、ワークフローが最初から最後まで1回走ることを1回と数える単位です。複雑なワークフローでも単純なものでも、走った回数は同じ1回として数えます。プランの違いは主にこの月間execution数の上限で、ユーザー数やワークフロー数、連携の種類はプランによらず制限されません。なお、上限に数えられるのは自動で動いた本番実行で、手動での試し実行は数えません。

プラン月額(年払い)月間execution
Starter20ユーロ2,500
Pro50ユーロ10,000
Business667ユーロ40,000
Enterprise問い合わせ個別設定

Power Automateは、人に紐づくライセンスと、処理の実行枠(キャパシティ)に紐づくライセンスを組み合わせて考えます。主なプランは、用途ごとに分かれた別々のものとして扱う必要があります。

プラン価格(年払い)主な対象
Premium1ユーザーあたり月15ドルユーザーに付くプレミアム機能
Process1ボットあたり月150ドル自動実行のRPAやプロセス単位
Hosted Process1ボットあたり月215ドルMicrosoft側のマシン実行枠込み
Process Miningテナントあたり月5,000ドルプロセス分析のアドオン

数え方の発想がまったく違うのが分かります。n8nは「ワークフローが何回走ったか」、Power Automateは「誰が使うか」と「どの実行枠を確保するか」で費用が積み上がります。RPAを本格的に使うかどうかで、Power Automate側の見積もりは大きく変わります。

注意

上の価格は確認時点で公式に表示されていたものです。地域・通貨・契約条件で変わり、いずれも年払い前提の月額表示です。Power Automate側は、ボットが操作するソフトやサービスに別途ライセンスが必要になる場合があります。実際の契約前に最新の料金を確認してください。

無料で試せる入口

n8nには、無料の入口が2つあります。Cloud版の無料トライアルと、self-hostユーザー向けの無料Community editionです。この2つは別物なので、同じ無料プランとして考えないほうがよいです。自分でサーバーを用意して動かせる人はCommunity edition、まず手軽に触りたい人はCloudのトライアル、という住み分けになります。

Power Automateには30日間の無料トライアルがあり、画面で作るクラウドフローと標準コネクタを試せます。また、Microsoft 365などを使っていると一部の権利が付いてくることがありますが、これは「すべてが無料で使える」という意味ではありません。付属の権利は標準コネクタの範囲などに限られ、プレミアム機能やRPA、AI機能を単独で使うには別のライセンスが必要になる場合があります。

AI・エージェント系の機能

n8nは、LangChainという仕組みを扱う設定可能なノードを、通常のノードと組み合わせて使えます。これにより、外部データやベクトルストア、埋め込み、エージェントなどを使うRAGワークフロー(手元のデータを参照させながら回答や処理を組み立てる流れ)を構成できます。連携ディレクトリにはAIのカテゴリがあり、エージェント、メモリ、言語モデル、ベクトルストア、ツールといったサブカテゴリが用意されています。AIワークフローを自分で組み立てたい場合に向いています。

Power AutomateはAI Builderという機能を統合しています。ただし、これはサービスクレジットを消費して使う仕組みです。Premium、Process、Hosted Processには月5,000クレジットが付く文脈がありますが、無制限に含まれるわけではありません。AI機能を使うときは、「使えるかどうか」だけでなく、クレジットを消費する前提を念頭に置くのが安全です。

運用は誰が持つか

n8nのself-hostは自由度が高い一方、運用は自分で抱えることになります。多くの用途ではDockerでの構築が推奨され、環境変数による設定、SQLiteまたはPostgreSQLといったデータベースの用意、規模が大きくなったときのキューモードやデータの整理などを、運用側で管理します。サーバーやコンテナ、セキュリティ、スケールについての技術知識が前提になるため、こうした管理に慣れていない場合はCloud版が現実的な選択肢になります。self-hostでは、外部公開APIの無効化、特定ノードの利用制限、セキュリティ監査の実行といった、自分で締めるための設定も用意されています。

Power Automateは、self-hostするものではなく、Microsoftのクラウド基盤の上で使います。組織で使う際の管理は、環境(environment)の区切りや役割(role)、データに関するポリシー、デスクトップフロー向けの制御、エンドポイントの制限などで行います。さらに上位の管理機能をまとめたManaged Environmentsもあり、企業規模でのガバナンスを意識した材料がそろっています。

比較の早見

観点n8nPower Automate
立ち位置Cloud/self-hostを選べるノード型Microsoft製品群と連携する自動化サービス
作り方ノードをつなぐワークフロークラウドフロー+デスクトップフロー(RPA)
料金の数え方execution(実行回数)ユーザー+実行枠(用途別ライセンス)
無料の入口Cloudトライアル/Community edition30日トライアル/一部はM365付属(標準のみ)
AILangChain・RAGを自分で組むAI Builder(クレジット消費)
運用Cloud、または自前で管理Microsoftのクラウド基盤
拡張HTTP Request・カスタムノード・公開API・CLI標準/プレミアム/カスタムコネクタ

確認しておきたいこと

自分が自動化したいのは、アプリ間の連携か、それともパソコン上の手作業(RPA)か。
Microsoft 365やDynamics 365を業務の中心に使っているか。
サーバーやコンテナを自分で運用できる体制があるか。
料金を見積もるとき、月間の実行回数で考えるか、使う人数やボット数で考えるか。
AIワークフローを自分で組みたいのか、用意された機能を使えれば十分か。

どちらが自分に合うか

整理すると、選び方の軸ははっきりしています。Microsoftの製品群を業務の中心に置いていて、デスクトップ作業のRPAまで含めて自動化したいなら、Power Automateがなじみます。料金は使う人数とボット・実行枠で積み上がるので、誰がどの機能を使うかを先に決めると見積もりやすくなります。

一方、Cloudとself-hostを選びたい、ノードを組んで開発者向けに拡張したい、LangChainやRAGを使うAIワークフローまで自分で作りたいなら、n8nが比較しやすい相手です。料金はワークフローの実行回数で考えるので、どれくらいの頻度で動かすかをもとに見積もります。ただしself-hostを選ぶ場合は、運用を自分で持つ前提も一緒に見ておきます。

よくある質問

Q.結局どっちが安い?

A.数え方が違うので一概には言えません。n8nは月間の実行回数、Power Automateは使うユーザー数やボット数・実行枠で費用が決まります。自分の使い方を実行回数で見るか人数・ボット数で見るか、どちらに当てはまるかで比べてください。

Q.パソコン上の手作業を自動化したい場合は?

A.画面操作をなぞる形で繰り返し作業を自動化するRPAは、Power Automateのデスクトップフローが中核として用意されています。

Q.自分のサーバーで動かせる?

A.n8nはself-host版があり、自前のサーバーで動かせます。ただしDockerやデータベース、設定、スケール運用を自分で管理する必要があり、技術知識が前提です。Power Automateはself-hostではなくMicrosoftのクラウド基盤の上で使います。

Q.Microsoft 365を使っていれば無料で全部使える?

A.いいえ。付属する権利は標準コネクタの範囲などに限られ、プレミアム機能やRPA、AI機能を単独で使うには別のライセンスが必要になる場合があります。

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出典

確認日: 2026-06-06 以降(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)

n8n

Power Automate